ハンドバッグを含む100ドル未満の大きな贈り物!


私はちょうどカレンダーを見ました、そして、Vladと私がまだ我々のクリスマスツリーを得なければならないとしても、クリスマスが10日前であるとわかりました。カナダグース レディース 人気Hanukkahのスタートは明日であり、クリスマスは10の眠りでここにあるので、このホリデーシーズンがすぐに忍び寄ったと言うのは十分です。


私たちの多くは、現実になることができないことで満たされているウィッシュリストを持っています(10000ドルスタートレックシップのレプリカのVLADのようなものがあります−ごめんなさい、男)。カナダグース スーパーコピー あなた自身や他の誰かのために買い物をしているかどうか、このリストは、贈り物の多くの種類をカバーし、100ドル未満の偉大なハンドバッグが含まれています-私は目を光らせ続けるそのマットワニのバーキンよりもはるかに管理可能です。

手袋の中に高価なネオンを入れることはできますか?

名人はヴァレンティノ(Valentino)、グッチ(Gucci)、フェンディ(Fendi)のファッションショーから劇的に退場・出場する
彼らはネオンの原子のために外殻も作った
エミリー・アンダーソン2020年3月4日

セレブ—bags
厳密に言えば、春はあと二週間で始まっているのだが、僕たちはもうそろそろそろそろと順番を入れ替えていると思う。△もちろんあります。一部のスターはすでに作業服を着切れた!ミニバッグは毎年春になると戻ってくるらしく、ネオンの流れのように全力で戻ってくるに違いない。手袋の中に高価なネオンを入れることはできますか?あるいはその流れがなくなるのを待つつもりですか?

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クリシーTeigen
クリス・タイガンは、クリスタルで飾られたGucci Dionysusという小さなバッグを身につけてビバリーヒルズのマドオレストランを出ていくのを目撃される。

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セリンディオン
セリーヌ・ディオンは床のふきんを着て、黒いフェンディ2ジュールのバッグを持ってニューヨークのホテルを出た。

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コートニー・カーダイソン
カデシャン姉妹が来た!今彼らに向かっているふんわりの杜诺德劇場、参加坎耶・あたりパリコレクションの日曜日の特別式を行った。コートニーは、とても小さなエルメスのケリーを持っていた。

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スーフィターナ
ロサンゼルスの自由市場で、ソフィー・ターナーが可愛らしいルイヴィトン・ミニボチェットを持っているのを見た人がいた。私が指摘したいのは、ソフィーがここで紹介した2番目のイワンに夢中になった有名人です

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アリシアVikander
アリシア・ヴィカンダーは最近パリに飛んできたとき、このシックで立派なルイ・ヴィトンの都市フレームのテガのトップハンドバックを着ていた。

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アシュリー・ベンソン
アシュリー・ベンソン(Ashley Benson)はPFWのGiambattista Valli 2020秋冬のファッションショーで発見され、Giambattista Valli Tascheの中の粉のハンドバックを手に持っている。

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フローレンスプ
フローレンス・ピも数日前にパリに到着した。大胆なネオン色のルイヴィトンのBBバッグを持っている。

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ジェニファー・ロペス
最後にジェニファー・ロペスがマイアミ・ジムにヴァレンティノのネオンイエローのロックステッドを持って行った。

ファッション・ウイークに現れたセレブたちのスタイルを

人気企画「ファッション通信簿」では、ストリートからパーティー、レッドカーペットまで、海外セレブたちのファッションを厳しくチェック。A+、A、A-、B+、B、B-、C+、C、C-、D+、D、D-、そしてFAIL(失格)の13段階評価で格付けし、それぞれのファッションポイントを勝手に辛口ジャッジ!

パリ、ミラノ、ロンドンの2020年春夏シーズンのファッション・ウイークから、リタ・オラ(Rita Ora)、イリーナ・シェイク(Irina Shayk)、ナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)、カーディ・B(Cardi B)、ベラ・ハディッド(Bella Hadid)、カイア・ガーバー(Kaia Gerber)、ジジ・ハディッド(Gigi Hadid)、ケイト・モス(Kate Moss)が登場。世界中からファッショニスタたちが集うファッション・ウイーク――コレクション期間中のセレブたちに下された評価とは⁈

リタは全身真っ赤な衣装を着て、学校の演劇発表会で女性版のルシファーを演じている。でも合皮のグローブとベレー帽は素敵だから、欠点はカバーできているか。

パリ・ファッション・ウイークでのリタ・オラ BERETTA / SIMS / SHUTTERSTOCK (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC

“90年代のエロい女学生”ファッションはイリーナにとってベストスタイルとは言えないが、コンセプト自体はとても面白い。コンバットブーツと「ヴェルサーチェ(VERSACE)」のハンドバッグの組み合わせが特にいい。

ミラノ・ファッション・ウイークでのイリーナ・シェイク MIMMO CARRIERO / IPA / SHUTTERSTOCK (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC

ナオミ・キャンベルはファッションのまとめ方を本当によくわかっている。キラキラしたブラウスからレザーのスカートとステートメントなファインジュエリーに至るまで、本当に素晴らしい。ひとつ気になるのは彼女の「ドリアン・グレイの肖像」の行方だ。(「ドリアン・グレイの肖像」は、老いを恐れる美青年自身は美しい若さを保ち続け、彼の肖像画だけが老いていくというオスカー・ワイルドの長編小説)

ロンドン・ファッション・ウイークでのナオミ・キャンベル BERETTA / SIMS / SHUTTERSTOCK (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC

ウィキペディアの“ファッション・ビクティム”についてのページには、これを参考写真として使うべきだ。でも、中身がカーディ・Bだと言われたら納得できる。

パリ・ファッション・ウイークでのカーディ・B BERETTA / SIMS / SHUTTERSTOCK (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC

いろいろ盛り込みすぎ。パーム・ビーチ・カントリー・クラブで着るようなジャケットに合わせたペプトビスモル(米国の国民的なピンク色の胃腸薬)みたいなブラウスに、コンバットブーツ、マムジーンズ、ヤンキースのキャップを合わせるなんて場違い感がすごい。ミスマッチの美学はここではうまくいかなかったようだ。

パリ・ファッション・ウイークでのベラ・ハディッド BERETTA / SIMS / SHUTTERSTOCK (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC

カイアの年齢にふさわしいファッションだ。ボクシーなブレザーとブラックジーンズに「コンバース(CONVERSE)」のスニーカーを合わせることで、モダンで上品なカッコよさを損なわずにとても親しみやすくキュートな装いに仕上げている。

パリ・ファッション・ウイークでのカイア・ガーバー BERETTA / SIMS / SHUTTERSTOCK (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC

プレッピースタイルの再来は間違いないようだ。でも、チェックのブレザーとタートルネックでおばさんっぽく見える。ウエストのボタンが外れているようなデザインのジーンズは壊れているとしか見えない。

パリ・ファッション・ウイークでのジジ・ハディッド BERETTA / SIMS / SHUTTERSTOCK (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC

ケイトのこれまでを振り返るとたぶんベストなファッションとは言えないが、彼女は相変わらずクールな女王だし、それを体現もしている。ヒョウ柄のロングドレスはBravo(米国の放送局)に出ている主婦のようだが、ケイトが着ると英国風のカッコよさが光る。

日本最大級のファッション展示会「ファッション ワールド 東京」ポイントをチェック

日本最大級のファッション展示会「第10回 国際 ファッション ワールド 東京」が10月2~4日、東京ビッグサイト 南展示棟で開催される。同展はアパレルやバッグ、シューズ、アクセサリーなどあらゆるファッション商材が世界各国から一堂に会する総合展示会だ。スタート以降、出展企業数を着実に伸ばしており、今回は過去最多となる世界35カ国から1050社が出展する。

今回のポイントの1つは、初パビリオン出展となるイタリアとモロッコのブランドたちだ。アーティスティックなビジュアルが特徴的なレザーバッグブランドや、“パリジェンヌのアーバンスタイル”をコンセプトにミニマルなウィメンズウエアをそろえるモロッコ発のブランドなど計15ブランドが並ぶ。日本未上陸のまだ見ぬ注目ブランドを同展で見つけ出し、商談・受注が行える。

また、全40講演の併催セミナーも目玉の一つ。ECやセレクト、デザイナーズ、SPAなどの幅広いジャンルでファッション業界の最前線を走ってきた企業のキーパーソンたちがそれぞれの立場で語るセミナーでは、新たなビジネスのヒントを得ることができるだろう。

9月2日号付録では、開催が迫る「第10回 国際 ファッション ワールド 東京 秋」の魅力を解説。初パビリオン出展のイタリアとモロッコの注目ブランドの紹介や、一部併催セミナーの登壇者たちによるインタビューを掲載している。下記リンクよりその全貌をチェックできる。

元「ブルックス ブラザーズ」広報がプレスオフィスを開業

元「ブルックス ブラザーズ(BROOKS BROTHERS)」の広報で、アイウエアブランド「アヤメ(AYAME)」のプレスやパンツ専業ブランド「ニート(NEAT)」のデザイナーを務める西野大士氏(33)が、プレスオフィス「にしのや」を東京・青山に開設した。5月1日に法人化し、8日に営業を開始している。

「にしのや」は他に、日本最高峰の生地を用いたカジュアル服を提案するブランド「カンタータ(CANTATE)」と、東京・吉祥寺のビンテージ時計店「江口時計店」のPRも行っている。

「インハウス(自社内)のプレス経験から肝に銘じているのは、プレスオフィスは同等、もしくはそれ以上のパフォーマンスを発揮しなくてはいけないということ。体は1つだし、時間も限られているが、半端な気持ちではブランドと向き合えない」と西野氏。

一見キャッチーで、単品でも主役となりうるアイテムが多い「にしのや」だが、「共通するのは『ベーシック』というキーワード」だという。

プレスとしてのキャリアをスタートさせた青山の地に、自身の“城”を持った西野氏。6月1日には新たにトレメッツォと契約。大人の休日着をテーマにした「ピーティー・ゼロウーノ(PT01)」の新シリーズ「フォワード(FORWARD)」や、イタリア・フィレンツェ在住の靴職人、深谷秀隆氏が手掛けるバッグブランド「イルミーチョ(ILMICIO)」のプレス活動も開始する。

パリ初日に心奪われた期待の新星

6月18日晴れ。昨夜遅くにミラノからパリへと移動しました。最高気温は28度の予想で、ミラノに比べて少し涼しいです。先輩の村上はホテル到着後、5時間後にフィレンツェへと旅立ったので、本日は後輩の僕が書かせていただきます。

フィレンツェ、ミラノ、パリの4都市のメンズコレクションを取材しているため、パリはいよいよ最後の都市というわけです。ただ、パリメンズは他の都市よりも日程が倍近くあるのでここからがめちゃくちゃ長い!定期購読者に向けて毎日配信しているデジタルデイリー用のコレクションレビューを始め、日々の原稿がボディーブローのように体にじわじわ効き始めるころですが、そんなことは言ってられません。パリメンズ初日、はりきって行きますよ!

朝イチのショーはメトロでの移動です。特に夏場のパリの地下鉄は結構キツい。中は蒸し暑いわ激しく揺れるわで、乗り物酔いしやすい人にはちょっと辛いかも。僕もかなり酔いやすい体質なので、電車移動やタクシーでの移動が多くなりそうな日は酔い止めを飲んで出掛けます。移動中のメールチェックや原稿もはかどりますからね。

電車に揺られること約20分、本年度の「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ(以下、LVMHプライズ)」ファイナリストにも選ばれた米ブランド「ボーディ(BODE)」のショー会場に到着しました。2016年のブランド設立以来初のランウエイショーでしたが、これがかなり面白かった!チュニックシャツやビーズ刺しゅう、マクラメ編みのトップスなどはエスニックなムードで、とてもアメリカのブランドとは思えません。ほかにも古い漫画のようなタッチのゆるカワなイラストなど要素はてんこ盛りなのに、一つのスタイルへの落とし込むセンスが秀逸です。素直に着てみたくなりました。ミラノメンズの若手ブランドはなかなか厳しかったので、朝からなんだか嬉しい気分。

次の「フィップス」へは大型のプレスバスで移動します。スケジュールに沿って動く場合は本当に便利な移動手段なのですが、ハイヤーで優雅に移動する業界人も多いので、一部からは親しみを込めて“貧乏バス(BB)”と呼ばれています(笑)。でもみんなでワイワイしながら移動するのも楽しいですし、中ではドリンクが配られるなどホスピタリティーもなかなかなんですよ。

「フィップス(PHIPPS)」のショーが30分押しでスタート。こちらも「LVMHプライズ」のファイナリストで評価が高いブランドです。アウトドアの無骨さを今っぽいストリートのムードで押し切ったマッチョなスタイルがたくさん。「ミレー(MILLET)」とのコラボレーションアイテムは、結構本気のスペックっぽいです。アメリカ拠点の「ボーディ」は繊細でヨーロッパっぽいし、フランス拠点の「フィップス」はゴリっとしてアメリカっぽいし、対照的な世界観の「LVMHプライズ」ファイナリスト対決が面白かったです。僕は圧倒的に「ボーディ」派かな。

再び“BB”に揺られて、日本でも人気の「ヘロン プレストン(HERON PRESTON)」の会場に移動。コンコルド広場周辺の大渋滞によって間に合うか微妙でしたが、何とか滑り込みセーフ。前シーズンのショーでは会場内全体にモヤがかかるほどハッパの煙がすごかったのですが(笑)、今シーズンはクリーンでした(たぶん)。服自体はいつものベーシックなストリートウエアだったものの、これまでとはちょっと違うアプローチにもチャレンジしようとする姿勢も見られたのが好感です。

次の「フミト ガンリュウ(FUMITO GANRYU)」はすぐ近くにだったので徒歩で移動。ここへ来て日本のファッション関係者もぐっと増えました。今シーズンは若手スタイリストの姿も何人か見られて、日本のクリエイターも頑張ってるなと励まされました。会場前に着くと、「エトセンス(ETHOSENS)」の橋本唯デザイナーを発見!「勉強するためにショーをいくつか見にきました」と話していたので、もしかしたら海外でのショーを考えているのかな!?「フミト ガンリュウ」のショーはこれまでのミニマル路線から一転、色やパターンが豊富で開放感溢れる気持ちいいコレクションでした。もうすっかりモードなブランドですね。「サロモン(SALOMON)」や「スイコック(SUICOKE)」とのコラボシューズも話題になりそう。

ここでふと朝から何も食べてないことに気づきました。そして気づいた瞬間、空腹感が倍増。次の会場までは徒歩で移動だったので、たまらず道中のブランジェリー「ル・ムーラン・デ・ローザ(LE MOULIN DE ROSA)」でクロワッサンを購入。空腹と激ウマで、丸呑みする勢いでガッつきました。やっぱりコレクション取材中は体力勝負なので、朝食は無理してでも食べないとダメだ……。

日本では陽が傾き始める時間ですが、ヨーロッパのサマータイムはここからが暑さの本番です。「コモン スウェーデン(CMMN SWDN)」の会場は窓がなく、蒸し風呂状態。そんな中、雑誌「センス(SENSE)」を代表してパリに来ている中里俊介副編集長が爽やかに挨拶しに来てくれました。「初めてのパリですし、最初に見た『ヘロン プレストン』では何を見ればいいのかわからずテンパりました(笑)でも、頑張ります!」と力強いお言葉。その気持ち、痛いほどわかります。共に頑張りましょうね!

さあ、残るショーもあと2つとなりました。まずは2シーズン目のパリメンズ参加となる孤高の天才「タカヒロミヤシタザソロイスト.(TAKAHIROMIYASHITATHESOLOIST.)」。ここで日本人率がさらに増えました。パリの空港に着いてほぼその足で会場に来た人たちもいて、みなさん分刻みのスケジュール。お疲れ様です!ショーは“DUET”と題し、男女の服を融合したようなスタイルを提案。全てモノトーンカラーで構成し、アイテム一点一点はよく見るとベーシックなのに、大胆な再構築と凝視してもわからないほど複雑な構造に思わず引きつけられます。若手スタイリストの高田勇人さんは「あのスタイリングはすごい。展示会で見てもよくわかんないすから(笑)」と感心していました。ショーBGMはスピリチュアライズド(SPIRITUALIZED)!

本日ラストのショーは「アミ アレクサンドル マテュッシ(AMI ALEXANDRE MATTIUSSI)」。会場はヌケ感が気持ちいグラン・パレです。心地いいフレンチカジュアルを提案した前シーズンから一転し、モノトーンでシャープなスタイルに、ちょっぴりロックなムードを加えてきました。デザイナーのアレクサンドルも少しスリムになったようにも見えたので、今はミニマルに削ぎ落とす気分なのかもしれませんね。さあ、ラストのショーも終わったし打ち上げや!と言いたいところですが、イベント取材はまだまだ続きます。

“BB”はショー会場間しか稼働しないため、ここからは再び自力で移動。「ジェイエムウエストン(J.M. WESTON)」のイベント会場へ向かいました。フランス共和国親衛隊の宿舎施設で行われたイベントは、同ブランドが親衛隊のブーツを手掛けて40周年を記念したもの。音楽隊によるパフォーマンスや米歌手のシーラ・Eによるパフォーマンスなど、想像以上に大掛かりなイベントが楽しく、疲れも吹き飛びました。

よーーーやく最後の目的地、「イザベル マラン(ISABEL MARANT)」初のメンズ単独店の出店予定地に到着。でも9月にオープン予定なので、当然何も出来上がっておりません。ちょっと気が早すぎないかい?と疑問を抱きつつ店内に入ると、飲み放題のビールサーバーやおつまみが豊富で、「居酒屋 マラン」状態(笑)。外では明らかに近所迷惑だろうという爆音で音楽がガンガンに流され、自由って素晴らしいなと感じたパリメンズ初日の夜でした。

中央アジア最大のファッション・ウイークはガーリーでもストリートでも足元は“ミスマッチ”が流行

カザフスタン南東部の都市アルマトイで、2019-20年秋冬シーズンの「ファッション・ウイーク・アルマトイ(FASHION WEEK ALMATY)」が5月14~16日に開催された。アルトマイは天山山脈の支脈を街のどこからでも望むことができる大自然の宝庫で、1998年まではカザフスタンの首都だったこともあり、文化や流行の発信地として知られている。5年前から年2回開催されているファッション・ウイークには、主に中央アジアの国々から多くの人が参加している。地元カザフスタン発のブランドは、女性であることを楽しむかのようなガーリーなテイストを提案するブランドが多かったが、オフランウエイではガーリー派とストリート派に2極化した。

ガーリー派はギンガムチェックやフラワー、ドットなど王道のプリント柄で華やかに飾る。ストリート派はサイクリングパンツやウエストポーチ、カーゴパンツといったトレンドアイテムを用いたスポーティーな要素が強い装いだ。他の都市と同じくダッドスニーカーが支持されており、「ナイキ(NIKE)」「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」の着用率が高かった。ガーリー派はスニーカーをハズしのアイテムとして取り入れているのに対し、ストリート派はミュールやパンプスで足元を飾るなど、あえての“ミスマッチ”なスタイリングはどちらにも見られた。

着用ブランドで断然多かったのは、女性は「ジャックムス(JACQUEMUS)」、男性は「バレンシアガ」と「ア コールド ウォール(A-COLD-WALL)」で、「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」のベルトやバッグなどの小物は男女ともに愛用者が多かった。

キム・ジョーンズが「ジーユー」コラボを語る 「ルイ・ヴィトン」退任後の将来も直撃

ファーストリテイリング傘下の「ジーユー(GU)」とコラボレーションして3月21日に“キム・ジョーンズ ジーユー プロダクション(KIM JONES GU PRODUCTION)”を発売するキム・ジョーンズが、コラボレーションに関してインタビューに応じた。「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON以下、LV)」のメンズ・アーティスティック・ディレクターを退任したばかりのキムは、コラボの経緯や、「ジーユー」と「LV」におけるクリエイションの違い、商品の一部やスペシャルロゴを配した限定アイテムを先行販売するドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA以下、DSMG)のポップアップ(17〜20日)などについて語った。

今回、なぜ「ジーユー」とコラボレーションすることにしたのか?

10年前に休止した、「キム・ジョーンズ」のコレクションを、今の若い世代に着て欲しいと思った。SNS経由で若い人から、「『キム・ジョーンズ』というブランドの洋服を着てみたい!!」との声を聞く機会が増えた。(「LV」で働き、有名になったおかげで)若い世代が僕のことを調べ、「キム・ジョーンズ」というブランドの存在を知り、興味を持ってくれたみたいなんだ。それなら、みんなが買える価格帯で商品を提供したい。そう考えた時、「ユニクロ(UNIQLO)」の姉妹ブランドである「ジーユー」が、価格とクオリティのバランスにおいて一番なんじゃないか、って思ったんだ。楽しくって、気軽に着られる。そんな洋服を、特に日本を中心とするアジアの若い世代に提供できれば、って思ったんだ。僕自身、さまざまな経験を通し、大きく成長した。あの時のクリエイションを蘇らせ、今も通用することを示すのは、面白いプロジェクトになりえるんじゃないかな、って考えたんだ。

日本は、早くから「キム・ジョーンズ」というブランドを受け入れてくれた国の一つだから。コレクションを発表するようになって間もない頃、日本で全身「キム・ジョーンズ」の男の子を見て感動したのを覚えている。できれば故郷のイギリスでも発売したかったけれど、日本からローンチできて、とても嬉しいよ。

まったく違うものだ。まず、ターゲットが違う。そして「LV」のクリエイションは、最高級の素材を使い、最高の職人が形にするもの。そして藤原ヒロシやチャップマン・ブラザーズら、一流のアーティストが参画してくれた。一方の「ジーユー」は、10年前の僕自身のクリエイションが、今の時代にも通用することを示す試み。ある意味、僕自身の過去を祝うような、パーソナルなものだ。

この価格で、このクオリティの商品を生み出すことができるのは、本当に凄いこと。(4990円で販売する)デニムジャケットも、“デニムオタク”の友達からデニム工場の職人まで、皆に「刺しゅう入りのGジャンが、どうしてそんな値段で作れるの!?」って驚かれたし、僕自身も驚いた。ファッションが大好きな若い世代に、手の届く価格帯で商品を提供できるのは、本当にすばらしいことだ。元々、「ジーユー」の“お兄さん”ブランドである「ユニクロ」が、デザイナーと取り組むコラボプロジェクトは面白いと思ってきた。でも、「ジーユー」がデザイナーと協業するのは、初めてのこと。まるで真っ白なキャンバスに筆を下すかのようなチャレンジで、興奮したよ。

皆を驚かせたかったし、僕自身の人生の節目をお祝いしたい気持ちもあった。エイドリアン・ジョフィ(Adrian Joffe)=コム デ ギャルソン インターナショナル(COMME DES GARCONS INTERNATIONAL)最高経営責任者(CEO)兼ドーバー ストリート マーケット(DOVER STREET MARKET)CEOは長年僕をサポートしてくれたし、“キム・ジョーンズ ジーユー プロダクション”も気に入ってくれた。何より、昔「キム・ジョーンズ」を買ってくれた人に、今度はDSMGで“復刻コレクション”を買って欲しい。

今までと違うことをやらなくちゃ、新たなモノは生み出せないと思っている。それに、スニーカーのことなら(コラボレーションの経験がある)「ナイキ(NIKE)」が一番良く知っているように、これまでと違う“何か”に挑戦するなら、その道のスペシャリストと組むのが一番だ。ストリートのことなら(藤原)ヒロシや「シュプリーム」、スニーカーなら「ナイキ」。それだけのこと。常に心掛けているのは、どんなジャンルでも“クール”な人たちと働くことだ。若い世代に、手頃な価格で洋服を届けたいと思ったら、そのジャンルで一番“クール”だったのは、「ジーユー」だったんだ。

全くない。今、インディペンデントなデザイナーを続けるのは、本当に大変。若いデザイナーは、心から尊敬するよ。

今日は「ジーユー」のインタビューだから、答えられない(笑)。おかげで、いろんなブランドから連絡をもらっている。一つ一つ吟味し、ある時は「NO」と答えるし、ある時は「YES」と答えている。今言えるのは、それだけ。お楽しみに(笑)。

商品は3月21日、「ジーユー」国内の超大型店・大型店とオンラインストア、台湾の一部店舗とオンラインストア、香港の全店舗で販売する。

「グッチ」がフィレンツェの新名所でビョーク展を開催 制作に約900時間を要した衣装も

「グッチ(GUCCI)」は、伊フィレンツェの新名所「グッチ ガーデン(GUCCI GARDEN)」の展示スペース内の2つのホールを、ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMMAGINE UOMO)の初日である6月12日にオープンした。同建物の1階部分のこの展示スペースでは、さまざまなアーティストによるプレゼンテーションやインスタレーションを入れ替えで展示していく。第1回の展覧会では、アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)=クリエイティブ・ディレクターが衣装を手掛けたこともあるアイスランドのシンガー、ビョーク(Bjork)にオマージュを捧げる。

展覧会では、2017年にリリースされた「The Gate」のミュージックビデオ(以下、MV)のために制作したビョークの衣装も展示。この衣装はデザインに550時間、刺しゅうに320時間以上を費やした。素材には5mを超すプリーツ加工の虹色のPVC素材やルレックスのオーガンザなどを使用し、ところどころに花モチーフのビジューや真珠があしらわれている。その他、MVの世界観を表す本の数々、チュールのドレスやアーティストのジェームズ・メリー(James Merry)によるマスク、ミケーレによるさまざまな色に光るレザーのアンクルブーツやソールを付け替えできるプラットフォームシューズ、シルバーのレザーのバレエシューズなど、ビョークが着用した衣装やアクセサリーが展示されている。キュレーター兼ファッション批評家のマリア・ルイーザ・フリーザ(Maria Luisa Frisa)がビョークやアイスランドに関する本や雑誌、カタログを収集した。

また「グッチ」は、「グッチ ガーデン」の展示スペース内の“Cinema da Camera”と名付けた、映画やフィルム作品の上映スペースもアップデートした他、建物内の店舗限定で、ロンドンを拠点に活動するアーティスト、イザベラ・コティヤー(Isabella Cotier)とのコラボコレクションを発売した。コラボコレクションは、コティヤーによるフィレンツェの街並みなどのカラフルなイラストを施したTシャツやスエット、フーディーなどのアパレル商品の他、マグカップやキャンドルなどもそろえる。

「グッチ ガーデン」は、ミケーレが自身のクリエイションの中核となる折衷主義をベースに、メルカンツィア宮殿内のフリーダ・ジャンニーニ(Frida Giannini)前クリエイティブ・ディレクターが手掛けた「グッチ ミュゼオ(GUCCI MUSEO)」を作り変えたもので、18年1月にオープンした。

「ユークシジェンアワード」受賞、マリッサ・ペッテルーティが手がけるエココンシャスなコレクション

ユークス ネッタポルテ グループ(YOOX NET-A-PORTER GROUP)は、「2018ユークシジェンアワード(2018 YOOXYGEN AWARD)」で優勝したマリッサ・ペッテルーティ(Marissa Petteruti)のデザイナーデビューを飾るカプセルコレクション「アメンドメント・バイ・ユークス(AMENDMENT X YOOX)」を、5月16日に公式オンラインストアで発売する。

同アワードは、「ユークス」と米・ニューヨークのパーソンズ美術大学が2017年に締結したサステイナブルファッションを促進するパートナーシップをもとに始まった。同アワードに選出された卒業生はサステイナビリティーをテーマにしたカプセルコレクションを製作する。

ペッテルーティが手掛ける同カプセルコレクションは、“ユニフォーム・ドレッシング”をコンセプトに、よりコンパクトなワードローブ作りを可能にする全11型をそろえる。ファスナー使いでジャケットになるジーンズや、パンツに変形するクルーネックのスエットシャツなど、1つのアイテムで複数の用途を実現する。衣類は認証済みの100%オーガニックコットンを使用。デニムは人々の健康や環境に害のある加工技術を使わずに、限定的なウオッシュ加工とレーザー加工の新技術を用いてダメージ加工を実現した。価格帯は、7800~2万7300円。

中国の春節祝うアイテム続々

中国では、1月28日に旧正月「春節」を迎える。ファッションブランドでも春節を祝したアイテムを販売。ここでは記念アイテムを販売する3ブランドを紹介する。

ロエベ(LOEWE)」は、 “バルセロナ フラワー バッグ”(33万3000円)と“T ポーチ フラワー”(13万8000円)を販売。パッチワークのようなカラフルな花は水仙がモチーフで、マルケトリーインレザーというカッティング技術と職人技によって製作している。素材はバッグがボックスカーフ、ポーチがカーフを用い、色は鮮やかなイエローとブラックの各2色をそろえる。

「フェンディ(FENDI)」は、ブランドを象徴する「レインボー スタッズ」と、中国の人々にとって幸運を表すレッドカラーからインスピレーションを得て限定のカプセルコレクションを販売。コレクションは、全て赤いレザーで“バックパック”(24万5000円)、“マイクロ ピーカブー”(21万円)、 “チェーン付き 財布”(12万5000円)など。世界のフェンディブティックとオンラインストアで販売している。

「モンクレール(MONCLER)」は、鮮烈な赤にゴールドをアクセントにしたリバーシブル仕様のジャケットを1月下旬に販売する。酉年の2017年を記念して、モンクレールのブランドエンブレムでもある雄鶏を用いた。ウィメンズでは雄鶏モチーフをブロケード刺しゅうで表現し、メンズは背中に雄鶏の刺しゅうを施した。価格はウィメンズが25万7000円、メンズが18万3000円。

韓国カルチャー誌「マップス」編集長がみる日韓ユースカルチャーの今

韓国で若年層から支持を得るファッション&カルチャー誌「マップス(MAPS)」は28日まで、日本で初めてのポップアップイベントをラフォーレ原宿2階のポップアップスペースで開催している。アーカイブや「リトル サニー バイト(LITTLE SUNNY BITE)」などのアパレルブランドとのコラボグッズを販売する。

「マップス」はとてもユニークな作りをしている。アートブックのように写真だけが並んでいたり、テキストが韓国語、日本語、英語、時にはフランス語やロシア語などでも綴られていたりする。そして広告はほとんど入らない。「マップス」独自の世界観を作り上げるリュウ・ドヨン編集長に、雑誌というメディアへの考え、そして現在のユースカルチャーについて聞いた。

「マップス」を創刊したきっかけは?

リュウ・ドヨン編集長(以下、リュウ):僕が22歳の時、2006年に創刊した。その頃の韓国はローカルマガジンがあまりなくて、ライセンスマガジンが多かった。カルチャーやファッションが好きな人に向けて独自の発信をしたいと思ったことがきっかけだ。

最初から今のアートブックのようなスタイルだった?

最初はもっと広告も入っていたが、5年前にコンセプトを変えた。アートというより、ユースカルチャーを反映したら今の形になった。

各国で撮影をし、言語も多様だ

各国のローカルカルチャーを発信したいと思っているので、必要になるたび現地のカメラマンやスタイリストでチームを作っている。 言語がさまざまなのは、撮影した国の言語を使っているから。日本は近いし、撮影機会が多い。

なぜ日本でポップアップを行う?

昨年、東京でドキュメンタリームービーを作った。「マップス」は半年単位でメインテーマを設けていて、これは「ノスタルジア」というテーマの始まりの記念。(元AKBでタレントの)小嶋陽菜や(インフルエンサーの)AMIAYAなど6人に出演してもらって、11月には東京で上演会を開いた。そこからもっと日本でも活動したいと思い、友達を通じて知り合ったCoogeeの鈴木ヒロユキ代表が間に入ってくれて、今回のポップアップが決まった。展示会もしてみたかったし、いいタイミングだった。

「マップス」と歩んできたブランドや、日本のブランドともコラボした。一緒に歩んできた友達と日本にあいさつをする、という意味合いで企画した。

「マップス」は独自の世界観があるが、着想を得ているものはあるのか?

インスピレーションがあるのではなく、常に頭を回している。一般的なもの、平凡なものを変わったものに変えるのがいいなと思っている。独特な人が独特なものを作るって、普通でしょ(笑)。かわいいアイドルを「マップス」の色に染めるなど、相手にとっても新しいことをしたいと思っている。

表紙には日本人も起用しているが。

小嶋陽菜や(モデルの)秋元梢などを起用したことがあるが、周りが推薦してくれた。周りの友達が“「マップス」の世界観”を理解してくれていて、常にその世界観に合う人を考えてくれている。ヒョナやイドン、東方神起やiKONのBOBBYなど韓国のスターを起用したこともあったが、旬の人だから起用しているわけではない。人気っていつか下がるし、人はやがて死ぬ(笑)。旬や人気という永遠でないものが理由ではなく、「マップス」という世界観が作りたかっただけだ。

なぜ広告がこんなに少ないのか?

ブランドの発信することは、自分からの発信ではないと感じた。なじみのない、ブランドが発するテキストを排除したかった。メディアはブランドの代理店ではないから。今も広告がないわけではなくて、依頼は来るし、その号のコンセプトや「マップス」自体に合っていると思えば広告も入れる。ハイブランドもエディ・スリマン(Hedi Slimane)の「セリーヌ(CELINE)」やリカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)の「バーバリー(BURBBERY)」など僕たちの世界観に合うブランドが増えて、広告が浮かなくなってきた。化粧品のブランドは、僕たちの思うアートな形で撮らせてもらいたいので、大体のクライアントは嫌がる。だからあまり入らない(笑)。

広告が入らず、どのように収益を上げている?

ブランドのコンサルティングや企業の顧問などをしている。広告が入らなくても稼ぐ手段はけっこうある。

日本では“紙離れ”が深刻だが、韓国では?

韓国でもそれは同じ。僕は紙にこだわっているわけではなく、今までやってきたことだったから、そのまま紙でやるのが自然だったということ。みんながやめていっていることをやるのも、面白いしね。でも、紙をたくさん使うと、木が減る(笑)。部数が増えていったらその分、木を植える。

ユースカルチャーは今、どう変化してきている?

ストリートカルチャーやハイファッションなど、商業的な意図でカテゴリーを区切っている。メジャーとかアンダーグラウンドとか、本来であればそれは自然に出てくるものだ。その時代に逆らいたいという思いを持つ人が、新しいものを作ることがユースカルチャー。本当にそういう気持ちをもっている人が作るものは、「ユースカルチャー」なんて書いていなくても、それが表現されている。しかし、今はそういう気持ちがない人が「ユースカルチャー」と書いた、表面的なものを作っている印象だ。例えば40年ほど前、サーフィンをしていた人が陸地でもサーフィンをしたいという思いから、スケートボードが生まれた。そういう純粋な思いが新しいユースカルチャーを作ると思う。

日本のユースカルチャーについてはどう感じる?

自分が中学生だった頃は、欧米の影響を受けつつも日本らしさを加えた日本のカルチャーや、そこから生まれたブランドも好きだった。今は日本らしさを排除して、そのまま海外からの影響を受けているように見える。原宿を見ても、韓国のカンナムや明洞とどう違うのかな、と思ってしまう。みんなが同じブランドを着ている。

韓国のユースカルチャーは?

韓国でもそうだ。今は商業的なものがみんな同じ方向に向かっているし、それはそれでいいと思う。僕の好みと異なるだけで、悪い意味ではない。それが一つの流れで、10年後にはそれこそが“ユースカルチャー”だといわれているかもしれないし。ただ、今の若者が大人になって、その商業的な流れに飽き始めた時に、「マップス」が「マップス」らしくあり続けられていたら、それをまた新しい視点で受け入れてくれるかもしれない。

「平成最後の夏」はなぜ若者を惹きつけるのか、ホテルプロデューサー龍崎翔子&roseに聞く

「平成最後の夏」というキーワードが今夏、SNSを中心に話題だ。平成生まれのミレニアル世代にとっては初めて元号が変わる年で、しかもそれが先にわかっているからだろう。大阪にある“SNSの友だちが少し増える”ホテル「ホテルシー(HOTEL SHE,)」でも8月末、平成の思い出の名曲をオールナイトでプレイする、泊まれるフェス「音楽フェス平成ラストサマー」を開催する。クラウドファンドで宿泊付きチケットを販売し、すでに完売だ。なぜ「平成最後の夏」は若者を惹きつけるのか。イベントを企画したホテルプロデューサーの龍崎翔子とイベントのクリエイティブを手掛けるデザイナーのroseの2人に話を聞いた。

今回「平成ラストサマー」がテーマのイベントを開催しますが、もともと2人は面識があったんですか?

お互いツイッターでフォローし合ってて、(龍崎)翔子さんの「『平成ラストサマー』というイベントをやりたい」という投稿を見て、私が平成元年生まれということもあってご一緒したいと思い、メッセージを送りました。

もともとすごくかわいいプロダクトを作る人だなあと思って見ていました。だから、やりたいと言っていただいたので「やりましょう!」と(笑)。カフェでお会いして話をして、そのあとはメッセージベースでイベントのクリエイティブ面をお願いすることになりました。よく考えたら今日お会いするのが2回目。初対面以来ですね(笑)。

そもそもイベント自体、龍崎さんがツイッターでやりたいと発信したことがきっかけで始まりましたね。

そうですね。4月末くらいの深夜に社員と話をしていて、「平成振り返りたいよね」という流れからすぐに概要が決まって。ツイッターで「やりたい!」と言ったら、DJをやってくれる先輩から音楽を担当すると連絡をいただいたりして。

今でこそみんなが使うフレーズになりましたけど、「平成ラストサマー」「平成最後の夏」って言いはじめたの多分、翔子さんなんですよ(笑)。

今回のイベントもそうですが、「ホテルシー」では世の中の潮流をコンテンツとして取り込むのがすごく上手だと感じます。

ホテルをやるときに「50年愛されるものを作るべきだ」みたいなことをよく言われますが、これは誰でも来ることができるホテルの公共性ゆえだと思うんです。ホテルは通常変わらないことに価値があると思われているんですよね。もちろん、変わらずに愛されるいいものというスタンスはすごく素敵なんですけど、ホテルも商品の1つで、消費対象だから、あまりに継続性を意識しすぎると商品群としての選択の楽しみがなくなってしまう。ホテルも、アパレルみたいに流行や文化を反映することができるはずだと思うんです。

流行を反映した“変わりゆく”ホテルというのは、“公共性”の対極にあるビジネスなんでしょうか。

全ての人に好きになってもらう必要はなくて、数あるホテルの選択肢の1つでいいんです。

ある共通の趣味を持つコミュニティーに向けて、自社のコンテンツを発信するイメージですね。

イベントで流す音楽をツイッターで募集したのですが、今の時代、カラオケでみんなが歌える歌がないんだなあと実感しました。良くも悪くも趣味がコミュニティーごとに最適化されていて、カラオケのランキング上位っていまだに90年代の曲だったりするんですよね。

“大塚愛”みたいな公共性がなくなりましたよね。社内で話してたんですけど、「平成が終わる」というイベントは、もしかしたら全世代的な最後の熱狂になるんじゃないかと。若者期の終わりのような気がして、なんだかエモいんですよね。

たしかに、西暦2000年みたいなタイミングって、別に感情として何も残っていないですもんね(笑)。

20世紀はみんなの時代だけど、平成は自分たちの時代という感じがします。“自分にとっての平成”って人によって違うから、イベントでも一方的にコンテンツを押し付けるようなことはしたくなくて。

だから、イベントで流す曲のプレイリストも運営側だけで作るのでなくて、一緒に作りたいと思ったんですよね。そうすれば、イベント当日だけじゃなくて、それまでの過程にも参加していることを楽しめるのかなと。

エモーショナルがビジネスになるのは東京ならでは

なにより平成ってネガティブな印象を持たれがちじゃないですか。だから、時代を肯定する場を作りたくて。

たしかに、テロとか事件とかが目立っていて、だから若者はサブカルチャーを通してその鬱憤を晴らしてきた時代なんじゃないかと思います。ネガティブな社会背景があって、それでも自分の周りだけは楽しみたい、みたいな気持ちが個別最適化とかエモーショナルなビジネスにつながっているんじゃないかと思います。

個別最適化された社会というのは、ビジネス的にはポジティブなんですか。

その方が逆にやりやすい気がします。一人一人に向けてコンテンツを刺しにいけるし、お客さんも自分のためのものだって思ってくれるから、お金を払ってくれる。

広告などのこれまで“公共性”が高いと思われていた商材も、個別最適化されるんでしょうか。

私がとある大手企業のクラフトビールのキャンペーンに関わったんですが、マス向けではなくターゲットを絞って宣伝をしたいということで、コアなファンを持つアーティストを集めてイベントをやったんです。その時だけのイベントってエモーショナルだし、その場に来ている人が音楽とともにビールを楽しんでくれたのはうれしかったですね。しかも、会場で知らない人同士が音楽という共通の趣味を通じて仲良くなったりして。大きな企業でも商品によってはこんな風にエモーショナルな宣伝をするんだなあと実感しました。

小さなコミュニティーに対して体験を提供することが、時代に合ったビジネスの生み出し方なのかもしれないですね。

クラウドファンドの「キャンプファイヤー(CAMPFIRE)」などを活用してコワーキングスペースを作ろうと思っているんですが、別のフロアに日本茶とビールを楽しめる銭湯を作りたいんです。銭湯って昔からある独特のコミュニティーで、現代だからこそ、仕事の後に銭湯に来てお酒を飲んで帰るみたいなコミュニティーを作れば、仕事に対する思いとかも変わるんじゃないかなと思って。でも、こういう“エモい”コミュニティーがビジネスになるのって、東京ならではという気がします。

東京には一通りなんでもモノがあって、人々にも経済的な余裕があるからですかね。ビールを飲むのでも、どこどこのビールが飲みたい、みたいな。私としてはモノ消費、コト消費の次には“精神的あり方の消費”があると思っていて。どういうことかというと、何を選ぶかで自分のあり方を表現するんですよね。東京では、何かを選択することで自分のあり方を表現するような時代が来ているのかもしれないです。だからホテルでもいろんな選択肢を増やすことで「自分にとってしっくりくるものがある」状態を作ることは、社会からの個人に対する容認になる。少しでも個人が生きやすい社会につながるのかなと。

地方には地域の強いコミュニティーがありますが、東京では物理的な近所ではなくて、ユルくつながることができるコミュニティーが存在しているのかもしれないですね。

フェラガモは引き続き減収減益 主力のフットウエアの低迷が響く

サルヴァトーレ フェラガモ(SALVATORE FERRAGAMO以下、フェラガモ)の2018年12月期決算は、売上高が前期比3.3%減の13億4684万ユーロ(約1670億円)、純利益が同21.0%減の9018万ユーロ(約111億円)の減収減益だった。

商品カテゴリー別の売上高は、主力のフットウエアが同5.9%減の5億5472万ユーロ(約687億円)、アパレルは同14.9%減、アクセサリーも同8.5%減と軒並み減収となった中で、ハンドバッグを含むレザーグッズが同1.0%増の5億2144万ユーロ(約646億円)、香水は同5.6%増の9410万ユーロ(約116億円)とわずかに明るい材料となった。

地域別の売上高は、売り上げ全体の4割近くを占めるアジア太平洋地域(日本を除く)で同1.0%増の5億554万ユーロ(約688億円)となり、現地通貨ベースでは同0.8%減だった。ヨーロッパは同6.1%減、北米も同5.4%減となった。売り上げの8.6%を占める日本は、小売りで多少の伸びがあったものの卸売りを戦略的に整理したことで相殺され、同0.4%減の1億1903万ユーロ(約147億円)となった。

18年12月の時点で同社は672店を運営しており、うち409店が直営だ。売り上げ全体の65.2%を占める小売りの売上高は同3.0%減で、同じく33.2%を占める卸は在庫調整の影響もあって同3.8%減となった。同社は、売り上げ減少の要因として、フランスやイタリアに関しては地政学的な問題もあったとしている。また、中国の消費者が旅行先ではなく中国国内で買い物をするようになったことが、ヨーロッパだけではなく日本や韓国の売り上げにも響いたという。

ミカエラ・ル・ディヴェレック・レミ(Micaela Le Divelec Lemmi)最高経営責任者(CEO)は、「業績回復の戦略は1年で完了するものではないので、今後も気を引き締めて実施していく。社内のコミュニケーション改善やデジタル化の推進、カルチャーに関する戦略にも引き続き取り組んでいくが、タイミングよく戦略を実行することがカギだと考えている」と語った。

現職に就任する前、レミCEOはケリング(KERING)に20年勤務した後、同社が擁するグッチ(GUCCI)でエグゼクティブ・バイス・プレジデント兼最高執行責任者とエグゼクティブ・バイス・プレジデント兼最高顧客責任者を務めている。そうした経験をフェラガモで生かしているのかというアナリストの質問には、「どちらも全く違うブランドなので、『グッチ』を汎用化して適用することはできないし、それぞれのブランドのDNAや価値を大切にしなくてはならない。事業戦略はブランドの価値と結びついたものであり、それをさらに拡大するために実行するものだ」と答えた。また、主な顧客層については「ミレニアル世代ではないが、長年ひいきにしてくれた顧客を大切にしつつ、より若い世代にもアピールする戦略も取っている」とコメントした。

「インターナショナルギャラリー ビームス」でアイウェア

ビームスでは原宿の「インターナショナルギャラリー ビームス」にてメンズ・レディースのアイウェアを集めたスペシャルイベント「International Gallery Eyewear Collection」(4月29日?5月11日)を開催する。このイベントは日差しの強くなる夏に向けて、アイウェア製品を充実しようという試みで、会期中は、通常展開していないアイテムが期間限定で販売される。

このイベントの注目ブランドは、 ロンドンコレクションブランド「ケイスリー・ヘイフォード」のアイウェアも手がけた「ブラン(BLANC)」(2万3000円〜)。「ブラン」は日本人デザイナーによるブランドで、キャッチーなデザインと日本人の顔にフィットするものづくりが人気を集めていて、2014年春夏の展示会でも好評だったという。

その他には「エミリオプッチ(EMILIO PUCCI)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」などのアイウェアデザインを手がける「リンダファロー(LINDA FARROW)」(3万2000円〜)、60年代中期から80年代後期のヴィンテージスタイルをベースにしたクロアチア生まれの「シェリフ&チェリー(SHERIFF&CHERRY)」(2万1000円〜)、曲がるテンプルがセレブリティから人気の「ペルソール(PERSOL)」(2万5000円〜)、「プラダ(PRADA)」のアイウェアを手がけたロサンゼルス発の「オリバーピープルズ(OLIVER PEOPLES)」(2万5000円〜・全て税抜き)といったアイウェアブランドが揃う。

インターナショナルギャラリー アイウェア コレクション
期間:4月29日(火)?5月11日(日)
場所:インターナショナルギャラリー ビームス 1F

「ディオール」マリア・グラツィアが復刻した“サドル”バッグを発売

ディオール(DIOR)」は7月19日、2018-19年秋冬の“サドル(Saddle)”バッグを発売した。1999年にアーティスティック・ディレクターを務めていたジョン・ガリアーノ(John Galliano)が発表したアイコンバッグで、乗馬の鞍(サドル)の形に“D”のチャームを合わせたデザインが特徴的だ。当時、ビヨンセ(Beyonce)やエル・マクファーソン(Elle Macpherson)らセレブリティーが愛用していた他、米テレビドラマ「SEX and the CITY」でサラ・ジェシカ・パーカー(Sarah Jessica Parker)が使用したことで爆発的な人気となった。

新作の“サドル”バッグは現アーティスティック・ディレクターのマリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)によって復刻されたもの。素材はモノクロームレザー、“Dior”の文字を並べたアイコニックな “ディオール オブリーク”をのせたキャンバス、70年代風パッチワーク、手作業の9つの刺しゅう入りモデルなど。フリンジとメタルピースで装飾したショルダーストラップで、斜めがけで着用することができる。サイズはミニとミディアムの2型をそろえる。価格帯はミニが26万~65万円、ミディアムが32万~94万円。ショルダーストラップが18万~22万円。

キウリは「“サドル”バッグのタイムレスな美しさを復活させるいい機会だと考えた。メゾンにおける近年の歴史から誕生したアイコンは、人生の日々の闘いに立ち向かうための完璧なアクセサリーだと思う。シャツやジャケットのように身に着けるこのバッグはストラップの仕様が快適でその存在を忘れてしまうほど。実用的であるのは、必要なものすべてを備えて持ち運べるようにするため。また、実用性を求めてバッグをより大きく丈夫にするだけでなく、同時にカラフルで、刺しゅうやビーズを施したフリンジを加えて、カメレオンのようにあらゆるシチュエーションに合うアイテムにしたかった」とコメントしている。

また2019年春夏の「ディオール」のメンズでも、キム・ジョーンズ(Kim Jones)が“サドル”バッグをアレンジした新作バッグを発表している。

ベラ・ハディッドがお祝い 「タグ・ホイヤー」が銀座に世界最初の次世代ブティック

タグ・ホイヤー(TAG HEUER)」は4月9日、東京・銀座に移転オープンしたフラッグシップストアのオープンを祝い、モデルでアンバサダーのベラ・ハディッド(Bella Hadid)を招いたオープニングセレモニーを開催した。

ベラは、ギンガムチェックのミニワンピ姿で登場。自身の限定モデル“タグ・ホイヤー リンク レディ ベラ・ハディッド エディション”を身につけ、歌舞伎俳優の中村獅童、ジャン・クロード・ビバー(Jean Claude Biver)LVMHウォッチ部門プレジデント兼タグ・ホイヤー最高経営責任者(CEO)と店舗の前で鏡開きを行った。

移転したブティックは、新コンセプトストアの世界1号店。大きな特徴は店舗のディスプレイにタッチするだけで自分だけの1本を作ることができ、その時計がディスプレイから瞬時に現れる“コネクテッド什器”。ケース、ベゼル、文ベルトなど、時計を構成するパーツを「モジュール」と呼び、それを組み合わせることで無限のパーソナライゼーションを提供する「タグ・ホイヤー」ならではの店舗だ。選んだモデルは自身のモバイル端末に転送可能で、追ってウェブで購入することも可能だ。ビバーCEOは、「“モジュール・ブティック”に販売員はいらない。少なくとも、接客は最初からマストではなく、助けて欲しい時だけ呼ぶことができる。夏にはニューヨーク、秋にはロンドンに同じコンセプトのショップをオープンするつもりだが、トーキョーが最初。トーキョーは、なんでもナンバーワンだ!」と笑い飛ばす。

ベラは、「時計に気軽に触れられるし、購入も簡単。自由に選べるのも面白い。私の時計は、とってもゴージャス!ダイヤモンド、大好き!」と話した。

サンエー・インターナショナルからファッションビル向け新ブランド

サンエー・インターナショナルは2019年春夏、「アドーア(ADORE)」から派生したファッションビル向けの新ブランド「ル フィル(LE PHIL)」をスタートさせる。“クリーン”“コンフォート”“クチュールシップ”をキーワードに、「アドーア」よりも手頃な価格帯で高品質・高感度の日常着を提案。肌ざわりのいいシルクやリネンの天然素材と、シワにならない機能素材を用いたウエアの両方をそろえる。セレクトショップのバイヤーなどを経験した黒木麻里子ディレクターと、同社で「アドーア」をはじめとするさまざまなブランドのデザインを担当してきた田中宏幸デザイナーが手掛ける。ブランド名の“フィル”はラテン語で“愛する”を意味する接頭語で、“アドーア”が英語で“敬愛する”という言葉であることにもちなんでいる。

19年春夏のカプセルコレクションでは、接触冷感の加工を施したコットンのカットソー(6500円)やシルク100%ニット(1万9000円)をはじめ、「トーマスメイソン(THOMAS MASON)」の生地を使用したシャツドレス(2万9000円)、ポーチに入れて持ち運び可能なパッカブルのトップスとスカートのセットアップ(2万9000円)、リネンとシルクのボンディングコート(3万9000円)など40型をラインアップする。

価格帯はジャケット2万9000〜7万9000円、アウター3万9000〜15万円、ブラウス1万6000〜5万9000円、カットソー6500〜2万9000円、ニット8900〜4万9000円、ボトムス1万6000〜8万9000円、ドレス1万9000〜8万9000円など。

3月上旬にオンラインショップを開く他、ブランドのお披露目の場としてポップアップショップ出店を3月7〜20日はニュウマン新宿店、5月2日〜は玉川高島屋S・Cで開く予定だ。来季の19-20年秋冬に本格デビューを目指す。

黒木ディレクターは「食では高品質でコスパ感のあるものを好み、洋服も素材に凝った“いいものを着たい”という女性が増えている中、ラグジュアリーブランドの上質な服は高級で手が届かない人は多い。ファッションビル系のブランドで“上質でエレガントでありたい女性に寄り添うコスパブランド”の需要を本気で突き詰めているブランドがなかった」と語る。

「ボタンが夢を留めてくれた」 宮園夕加がボタンデザイナーになるまで

服全体の印象を左右もするし、服の機能を完成させるためにも必要なパーツだが、ベテランのデザイナーでもブランドやメーカーの名前をよく知らない資材がある。ボタンだ。服のデザインや仕様を決める際の優先順位は、いつも一番後回し。だから納期は短く、なぜかついでに価格も叩かれやすい。似たような製品としてファスナーがあるが、こちらは世界中に年間100億本を販売する巨大企業YKKが、ファスナーの存在感をしっかりと引き上げている。

だが33歳のボタンデザイナーの宮園夕加は、早くも高校生のときにボタンデザイナーになることを決めたという。宮園の人生を決めたのは、高校生の時に聞いた洋裁が得意な祖母の「最後に端切れを持っていって手芸店でボタンを選ぶ瞬間が一番楽しいのよね」という一言だった。栃木県の進学校に通っていた宮園は、「当時ファッションが好きだけどお金のない私は、『ユニクロ』の服をボタンだけ変えてオシャレをしていました。ボタンひとつを変えただけで、服がこんなにも変わる。祖母の言葉にハッとしました」。高校生の宮園はボタンデザイナーの道を選ぶことを決めた。

東京の女子美術大学のファッション造形学科に入学。「ボタンデザイナーになるために、まずはファッションを知ろう」とファッションデザインを学んだ。だが大学3年生のときに、父の事業が失敗。授業料が払えなくなって、退学に追い込まれそうになる。「無理かなと思ったけど、奨学金を借りて、親戚のおじさんの愛人のボロボロのアパートが空いているというのでそこを補修して住み、空いた時間はすべてアルバイトに費やしました。アパートの下は飲食店で虫もたくさん出た。家族もお金のことでバラバラになった。でもそんな毎日でもボタンデザイナーになりたいという夢が、つらい生活を支えてくれました」。

大学卒業後は、ボタン卸をルーツに持つアパレル資材商社の清原に入社。ボタンを中心に服飾パーツの企画職を10年間務めた。「ボタン作りの多くを教えてもらいました。日本だけでなく、韓国や中国の工場にも行かせてもらったし、“工業製品としての服”のパーツであることを叩き込まれました。ボタンは服と一緒に洗濯するので素材の強度や色落ちしないことがとても大事なんです。ただ可愛いだけのボタンじゃ意味がない」。ボタン作家ではなく、ボタンデザイナーを自称するのもそうした意味を込めているのだという。卒業生を対象にした女子美のコンペで1年間ミラノに行ける“ミラノ賞”を受賞したときも、清原は宮園の1年間の休職を認めてくれたという。「本当にいい会社で、感謝しかありません」。

それでも退職を決めたのは、ボタンに関わる業務がどんどん減っていったためだという。ボタンを含め30万SKUものアイテムを扱う清原では、祖業といえどもボタン作りに関わる業務はごく一部に過ぎない。「いまの服飾資材の商社は、商品を右から左へ流すだけでは、いくら膨大なアイテムを扱っていても商売になりません。企画職の仕事はファッショントレンドを踏まえ、取引先のニーズに沿った服飾資材をトータルで提案すること。数年前からはスポーツがトレンドになり、そうした提案商材の中にボタンがなくなることが増えてきた。清原のような商社からしたら、ボタンがないと仕事のモチベーションが上がらないなんて正直意味不明だと思うので、本当に申し訳なく思っています。ただ、振り返ってみると在職中も私のボタン愛が強すぎて、若干浮いていた気がします(笑)」。

初の個展では、祖母の名前を付けたボタンブランド「スミエ(SUMIE)」をスタート。これまで宮園がデザインしてきたボタン、約30アイテムを展示する。「ボタンは服に付いて初めて完成品だと思っているので、これはあくまできっかけのようなもの。これで完成ではなく、デザイナーさんやブランドの意見によって修正しようとは思っています」。ボタンデザイナーの仕事もまだ手探りだ。「ボタン作家さんはいても、ボタンデザイナーなんてたぶん私しかいない(笑)。なので、働き方も自分で考えないと。ボタンメーカーや卸のようにアイテムあたりの単価で仕事を請けていたらたぶん生活ができません。やり方が正しいのかはわからないけど、ボタンのディレクターやコンサルタントのような形で仕事を作っていきたいと思っています」。

今後の目標はボタンの地位向上だ。宮園は、ボタンコレクターや日本で唯一のボタン専門の博物館「ボタンの博物館」の金子泰三館長らで構成する「日本ボタンソサイエティ」のメンバーの一人だ。「ファッション業界はボタンの扱いが雑すぎる。清原にいたときはテキスタイルメーカーがうらやましくて。清原在職時に『プルミエール・ヴィジョン』に出展させてもらったり、イタリアのボタン工場で働いたりしましたが、やっぱりラグジュアリーブランドはいいボタンを使ってますよね。ボタンだって重要なファッションアイテムの一つだってことは誰もが分かっている。その地位向上に少しでも貢献する。それが最終的な目標です」。宮園のボタンデザイナー人生は、まだ始まったばかりだ。

土屋太鳳が着る、「アシックス」の2019春夏コレクション

アスリートからスポーツビギナーまで、全ての女性が美しく強くいられることを応援する「アシックス」が、2019年春夏シーズンに打ち出したスローガンは「ブレイクスルー」。女性たちが“壁を破って”、より健康的な生活を送れるようにプロダクトやサービスでサポートする。2017年秋冬シーズンからブランドアンバサダーを務める女優の土屋太鳳と共に、2020年のオリンピックイヤーに向けて歩みを止めない女性の挑戦を支えていく。

自由な動きをかなえる スペック重視のスタイル

中に着たブラトップ&タイツは、四方向にストレッチが利く構造。ミッドソールにゲルをちりばめたクッション性に優れたスニーカーと、「GEL-COOL2」プリントを搭載した肌触りのいいコットン混のタンクトップが、運動時の身のこなしをバックアップする。

サイドに縫い目がなく肌に優しいパーカは、ストレッチが利いた柔らかい素材で体にフィット。統一感のあるブルーカラーでまとめたすがすがしいコーディネートに、裾にメッシュ素材をレイヤードしたホワイトのトップスで軽量感をプラスして。

独自の研究開発から生まれた、高機能アイテムが今季も続々登場

ライン状に施された「GEL-COOL」プリントが汗を吸収して膨らみ、肌と生地の間に空間をつくり出し、これによって空気を通りやすくする。また、プリントには熱を伝えやすいゲルを使用しているため、肌に触れるとひんやりとした清涼感を得ることができる。2019年春夏シーズンにアップデートされた「GEL-COOL2」プリントは、形状の変化によって肌との隙間がさらに大きくなり、衣服内冷却効果がより持続。より涼しくなり、快適さを追求した。

通気性のいいメッシュをサイドにあしらったタイツは、ジップ付きポケットが機能的 2.腕を大きく動かすアクティビティーに適し、ずれにくさを追求して2018年度グッドデザイン賞を受賞したシームレスのブラトップ 3. 袖・肩・背中にメッシュ素材を配した、ウエストを絞らないボクシーラインのトップス 4.運動時に痛みの出やすい腰・太もも・膝・ふくらはぎのサポート性を強化したタイツ 5.背中の内側にアップデートした「GEL-COOL2」プリントを施し、清涼感を得られる1枚